最近注目されている高校の授業である「総合的な探究の時間」
只見高校生たちは、地域課題をもとに、只見町の観光や只見線の活用、地元の食についてなどの班に分かれ、活動しています。
その活動班のうちの1つが、「只見町に学びの場を作る」というものです。
只見町には、放課後に寄り道をする遊び場がありません。
公営塾はありますが、現在は只見高校生のみを対象としたものです。
そこで、「小学生や中学生も放課後、気軽に集まれる場所を作れないか」
「そのままみんなで集まって勉強とかできたらいいよね」
そう考え、この班のプロジェクトが動き出しました。
「勉強をする場を作るとして、教える人はどうする?」
「高校生が教えるのはどうだろう?」
「高校生が勉強を教えられるのかな?」
「そもそも小中学生は勉強する場を求めているの?」
などの話し合いをもとに、小中学校にお願いして全校生徒にアンケートを取ったり、提供していただいた場所で自分たちで試験的に勉強会をやってみたり。
そんな準備を経て、高校生が企画・運営をする、小学生を対象とした、「勉強イベント」が、12月17日に行われました。
生徒・保護者への案内文を作ったり、小中学校に電話してアポを取り、配布や回収をお願いしに行ったり、なんと実施直前には参加者の家庭にも確認の電話をしたり。
社会人の私が驚くほど、とても丁寧な準備をしていました。
イベントの前日・当日はかなりの大雪と強風。
生徒たちはイベント開始の1時間前に来て、駐車場の雪かきを行い、念入りに準備をして参加者を出迎えます。
そして勉強会がスタート。
高校生の人数が多かったので、小学生に勉強を教えるグループと、自分たち自身の勉強をするグループに分かれ、前半と後半で交代をし、実際に小学生に勉強を教えました。
勉強の合間にレクリエーションタイムも組み込み、オセロゲームをしたり、カードゲームをしたりして、親交を深めました。
また、クリスマスが近いことから、小学生に好きなお菓子を聞いて買い出しに行き、ビンゴゲームをして最後景品にするなど、凝った演出も。
そうして無事に終わった勉強会イベントですが、小学生を見送った後、高校生たちはすぐに反省会を始めました。
「予想できたよかったこと」、「予想できた悪かったこと」、「予想していなかったよかったこと」、「予想していなかった悪かったこと」
を軸に、一人一人が振り返り、それを共有します。
「準備がよくできていた」
「大雪が降った時に備えて、雪かきをどうするかまで決められていてよかった」
「参加した生徒の要望やタイプに合わせてレクリエーションの内容を臨機応変に対応できたのがよかった」
などの良かったことがあった一方、
「勉強を教えるのではなく、させることで精いっぱいになってしまった」
「小学生が勉強に飽きてしまった時の工夫などの準備が足りなかった」
「最初に距離を縮めすぎたので、後半メリハリがなくなってしまった。もう少し緊張感がある状態で進めたほうが良かったかも」
など、課題について真剣に話し合い、とても頼もしい姿を見せてくれました。
公営塾などで大人が仕組みを用意することも大切ですが、高校生が「無いものを0の状態から作り上げるにはどうしたらいいのか」考え、話し合い、形にしていき、それが先輩から後輩に受け継がれていくと、これは素晴らしい伝統になるのではないかと感じました。
今回の経験を通して、高校生たちは自分たちの活動をどのようにまとめて、次につないでくれるのでしょうか。
2月の発表会が楽しみです。